モノクロコントラスト クロトとシエル
自分よりも少し背の高いクロトを見上げて、シエルは柔らかい笑顔で興味深そうにクロトの顔を見つめていた。
彼女の瞳は、黄金の輝きの中に、まるで翡翠のような光彩を宿していて、見つめられると光の中へ吸い込まれそうな神々しい色だった。
「お前の目、良い色だな」
クロトは口に出すつもりはなかったが、瞳の色に引き寄せられるように、思わずぽろりとつぶやいた。
「あなたも、その目の色素敵ね、なんというか夜空の中で海と炎が出会ったかのような色ね。
お互いにしばらく見つめ合っていると、二人の雰囲気を断ち切るかのように一羽の鳥がバサバサと木々を揺らしながら飛び立った。
クロトは眉をひそめて空を見つめたが、そこにはただ青い空が広がっているだけだった。
ーモノクロコントラストー
静けさの深まる森の奥。そこに暮らす一人の少年と、ある日迷い込んだ一人の少女。
この二人が出会った時、運命の歯車は静かに回り始める。
溶け込むように流れる日々は、彼らの絆を鮮明にし、自らの生い立ちに関わる謎を解き明かしていく。
光と闇の向こうで交差する、それぞれの運命。
──すべては、この出会いから始まる。
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